振り袖の袖を切って訪問着に・・・は慎重に!

振り袖には振り袖の意味があるよね

 先日、振り袖の袖を思い切って短くし、訪問着にしたい。呉服屋さんに行くと、「もったいない」と言われた。どこに持っていけばやってもらえるか、というご相談を受けました。

 結論から先に言いますと、私の意見も「もったいない」、です。

 
「振り袖ってどういう場面で誰が着ますか?」

20歳の子が成人式のとき
謝恩会などのパーティーで
20代であった友人の結婚式のとき
多分、思い浮かぶのはこんな感じではないかと思います。
 
振り袖は
「20歳くらいの若い女性」
「華やかな場面」
着ることを前提として柄付けされている着物
なのです。
 
***
では、
訪問着はどういう場面で誰が着ますか?

「30代以上の女性」が
「子どもの行事のとき」や
「友人、親戚の結婚式」や
「パーティー」で
着る着物、というのが一般的ではないでしょうか。
 
では、これを洋服で考えてみましょう。
20代の女性がパーティーや友人の結婚式で着る洋服=ドレス
40代の女性がパーティーや友人の結婚式で着る洋服=「?」
30~40代の女性が子どもの行事で着る洋服=「?」

「?」としましたが、ここに入るのは、20代の女性が着るドレスではないということなのです。

***
よく、袖を切って訪問着に出来ますよ、という言い方をされるのですが、これは非常に危険なので言わないでほしいというのが個人的な意見です。
生徒さんで、振り袖を切った訪問着を持って来られる方もいましたが、とても着れるものではありません。
どうしてかというと、
20代の女性が華やかな場面で着ることを前提として作られたドレスを着るのは無理がある、ということなんです。
袖の短い長いではなく、そもそも作られているコンセプトが違うのです。
振り袖は「自分が主役」として着る着物(ドレスも)ですが、訪問着を着る場面は、母としての立場だったり、叔母としての立場だったり、祖母としての立場だったり、そこまで主張する場面ではないです。
ただ、パーティーなどの場面では非常に映えるのでいいと思います!

袖を切った方で満足されている方をほとんど見たことがありません。大抵後悔されています。
また物理的にも袖を切ることが前提で作られている振り袖とそうではない振り袖とがあります。袖を切ることが前提で作られている振り袖は柄付けも少なく、訪問着になっても違和感のないような作りになっており、袖も切るところで柄が途切れないようになっています。
 
以上が、袖を切ることは慎重に!個人的にはオススメしない理由です。何となくわかっていただけましたでしょうか。
 
上品に、主張しすぎないおしゃれをしたい、ということであれば振り袖の袖を切った訪問着というのは派手すぎるでしょう。
逆に、派手なものを着たいということであれば、それはそれで袖を切らずに振り袖として楽しんで着られた方がいいかもしれません。最近は、「大人になってからの振り袖」という撮影会があったり、自分が楽しむための集まりなども結構あります。
 
振り袖は、見ていて心がウキウキしますね!

(2017.4.25)